ポニーリーグ設立について

「全ての子ども達に公式戦参加の機会を準備したい」

「野球のスタンダードを変えなければ、こどもから選択されるスポーツとして存続することが難しくなる」

当クラブでは子ども達が失敗を恐れずにチャレンジできる環境づくりをしています。そして練習試合ではこどもたち全員に機会を準備し、可能な限り全員が平等に試合に出場できるように努めてきました。

失敗を恐れずにチャレンジする機会を準備することで、一部のこどもだけではなくチームに所属する全ての子ども達が成長していくことがよくわかりました。

しかし「公式戦」という貴重な機会を全員が経験するということは叶いません。練習試合や交流大会、チーム内でのリーグ戦等の機会を準備してきましたが、公式戦の経験はそれらとは全く異なるものであると感じました。

 

 

 

 

 

 

昨今の子どもたちを取り巻くスポーツ環境は劇的に変化しており、特に個人スポーツ人口の増加は著しいものがあります。茨城県内で見るとソフトテニスや卓球、陸上競技などに人気が集まっています。2020年度、野球(軟式)中体連所属の人数は3,500名程度。硬式野球はおよそ900名。ソフトテニスは10,000名に迫り、卓球も8,300名です。バスケットボールは男女およそ3500名ずつ。サッカーは6000人。ここにクラブに所属している選手が加わります。※スポーツ種目による男女の参加しやすさの違いはありますが個人スポーツの増加は目を見張るものがあります。

この背景には様々な要因が考えられますが、少子化や核家族化などの社会背景の変化が大きく影響しているのではないかと考えます。「自分のこどもには主役になってほしい」と思うのは当然で(主役というのは主力という意味ではなく試合に出場すること)可能なら前向きに活動に参加してほしいものです。個人スポーツは自分の力量は関係なく、必ず公式戦に出場でき、自分が主役である舞台に立つことができます。核家族化は、保護者負担が多いスポーツに大きな影響を与えています。野球が抱える保護者負担の問題は周知の通りです。

 

 

 

 

 

 

「仲間との競争に勝ち、レギュラーを掴み取る経験も重要なのでは?」

このような声が聞こえてきそうですが、そういった経験も大切です。しかし私たちは次のように考えます。

同チームや他のチームの誰かと比較して、〜は負けている、この部分は優っているということは、子ども同士が一番理解しています。大人がわざわざ競争するように仕向けることをしなくても、子ども達はよくわかっているのではないでしょうか。むしろ大人が子ども達を常に比較の目で見たり、競争を煽るような声をかけたりすることは、子ども達が自分と向き合うことができず、他人の目ばかり気にするような思考になっていくことにつながります。

野球はかつて競技人口が最も多く日本国を代表するスポーツだったこともあり、長らく競争選抜という形で進んできました。これはこどもたちが自ら競争しているのではなく、大人に競争させられている環境であり、上手なものだけが生き残り、下手の者は脱落していく仕組みです。

こどもたちの主体性が奪われ、過度に競争を強いることによって子どもたちの人格形成において、将来的な弊害が起こることもあります。

競争して勝ち取ることで得られる達成感も必要かもしれませんが、現代においては子ども達が多様な時代を生きていくための「生きる力」を身につけるための「経験」が必要であると考えます。

「野球離れ」はみなさんが肌で感じているように急速に進んでいます。
野球をはじめる子が減っているだけではなく、野球を続けない子も増加しています。

スポーツが多様化した今、野球がかつてのように国民的なスポーツに戻ることはありないでしょう。各地で普及活動は行われていますが、受け皿である環境や仕組みが変化せずにいたならば、野球というスポーツは選択されるスポーツとして存続することすら危ぶまれるのではないでしょうか。

野球のスタンダードを変えることは容易ではありません。しかし未来の子ども達のため、野球の未来のためにアクションを起こしていかなければならないと考え、すべての子ども達に公式戦参加の機会を創出したく、ポニーリーグ設立に至りました。

野球は社会に通じる多くのことを経験させてくれる素晴らしいスポーツです。
だからこそ子ども達から選ばれるスポーツになれるように、環境整備につとめて参りたいと思います。

ご理解ご協力のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

2021年2月21日

一般社団法人つくばベースボールクラブ
代表理事 堀田 哲也

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